日本の自動車メーカーは経験豊富で、常に深く思慮をめぐらす老人のようであるのに対し、中国は恐れを知らずに、前に向かって突き進む若造のようだ。若者はやる気にあふれ、コスト度外視で競争に臨み、勝てば官軍と考えている。その一方で、老人はしっかりとした不動心を持ち、物事を一歩一歩着実に進め、儲からないことには決して手出しをしない。

アリババは在中日本企業に対してデジタル化の手法によって、市場に対する反応の遅さを改善するようにアドバイスした。野村證券は中国にある支店を閉鎖し、大和証券は中国事業で赤字を計上したが、それは「現地化」と「差別化」の不足に起因している。

近藤修司氏は、「新たな質の生産力」に対する自身の理解について語り、旭化成の製品が中国の「新・三種の神器」などの新興産業に対して果たした貢献について紹介した。

「中国企業および中国の企業経営者との協力が必要だ。なぜならスピード感に欠けるなら、世界の急激な変化についていくのは困難だからであり、企業が単独で前進するのは至難の業だ」

最先端の情報を迅速に入手することができ、企業および社会が有する「底力（過去の経験と蓄積）」を獲得できること。これら2つの能力を兼ね備えているなら、技術革新を成し遂げられる可能性は最も高まる。

「日本経済と中日経済貿易関係の現状および未来」シリーズインタビューその3。

「日本経済と中日経済貿易関係の現状および未来」シリーズインタビューその１。

対談で言及された3つの分野は、モビリティ、ヘルスケア・養老、「ダブルカーボン」だ。

NECは長年の介護分野の研究により、高齢者の転倒は障害物のせいとは限らず、歩行速度や歩調、脛骨の傾斜の左右差、つま先を上げる高さなど身体の内在的要素が密接に関係していることを発見した。３Dセンサーと自身の画像識別技術を結合し、ビックデータとAIアルゴリズムを運用すると、歩行にデジタル化モデルチェンジができ、これにより活動能力の測定というソリューションを開発した。

小沢秀樹氏によると、キヤノンの最新の戦略目標は、2035年にキヤノン（中国）をグループ全体の売上ナンバーワンに押し上げることだという。

日本の電子産業が相対的に衰退し、伝統的な自動車産業がいまだ競争力を保っているというこの対比の中から、もしかしたらその答えを探し当てることができるかもしれない。

ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、シティグループ、UBSなどの大手金融機関が相次いで中国株の格付けを引き上げたのは、中国資産の評価がより魅力的であると見ているからだ。多くのアナリストは、「国際資本市場で中米両国それぞれの異なるマクロ経済のストーリーが形成されつつある」と指摘している。